ギップル×パイン１４０字



「私に当てるなよ？」

からかうような響きの声にギップルは鼻先で笑って答える。

「当てるかよ。パイン先生こそちゃんと仕留めろよ？」

弾丸の装填を確認して傍らに視線をやると、愛用の剣を片手にこちらを見たパインと目が合った。
当然だと言わんばかりに彼女が悠然と笑みを刷いたのは一瞬のこと。

　Ready go！



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「慰めてくれねぇの？」

優しくないな。とギップルが拗ねてみせると、パインは不可解そうに小首を傾げた。

「あんたはやれば出来るだろ？慰める必要がどこにあるんだ？」

いつものように素っ気なく。至極当然のことのように彼女は言う。
やっぱり優しくない。

けれど、下手な慰めよりも効力は絶大だった。



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パインのことを、以前は「無愛想」とか「気が強そう」などとコソコソ言っていた奴らが、
いつの頃からか「結構可愛いトコもあるんだな」とか「意外と優しいかも」などと囁き始め、
今では「頼りになる」とか「漢前過ぎて惚れそう」などと大絶賛している。
嬉しいような、面白くないような、複雑な気分だ。



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たかが直径１．５センチの輪っかを通すだけの簡単な作業。ただそれだけのことなのに。
何でだろう。凄く緊張している。
普段ならその十分の一の小さな穴に配線を潜らせることだって容易くできるのに。

ギップルは息を凝らして指先をみつめた。
握っている手の、白い指先を。

・・・間違ってないよな？指輪のサイズ。






おしまい


リハビリがてらにギップル視点で１４０字いろいろ。つぶやきたかった訳ではないんですが。
Gratitude of applause37：20120305：サイトUP20130731