A cause is offense and defense of two characters.


「言って」
「ヤダ」

「試しに」
「試しに言うようなことじゃないだろ?」

 そりゃ、ご尤も。
 その重要性をちゃんと理解した上で抵抗している訳ね。

「たった二文字なんだから一瞬で終わることじゃん?」
「文字数の問題じゃないし、私にとっては一瞬じゃない」

 まあ…確かに、口に上らせるまでの葛藤と、言った後の照れが長そうだもんな。
 なんせ超が付く恥ずかしがり屋さんだし。
 でもまた、その恥じらう表情がそそられるって言うか、嬉しさ倍増って感じで……

「…何?そのニヤニヤした顔は」
「あ、いや。感動の瞬間を想像したら、つい…」

「だったら想像で充分だろ」
「えぇ〜。やっぱりパイン先生の声で直に聞きたいんだけど」
「イヤだ」

「俺のこと嫌いな訳?」
「嫌いだったら一緒にいない」

 予想通り逃げた。
 ここで「じゃあ、好き?」なんて、うっかり訊いてはいけない。
 彼女のことだ。頷き返すだけで済ませてしまうに決まっている。

 さて、どうやって引き出そうか。


「嫌いじゃないなら、どう思ってる?」
「………」


 そんな眉間に皺を寄せて悩むようなことか?
 素直に言った方がよっぽど楽なんじゃねえの?
 この意地っ張りめ。





本編でだって1回しか言ったことがないんですから、そう簡単には(笑)
Gratitude of applause28:20100510:サイトUP20100719sears